ほろかないの冬

幌加内町では、1年のほぼ半分を雪に囲まれて過ごします。
長い厳しい冬ではありますが、つらいことだけではなく、楽しいことや美しい景色もその冬の一部です。

フロストフラワー

朱鞠内湖 でフロストフラワーが見られる時期になると、本格的な冬はもうすぐそこだなと感じます。

とはいえ、幌加内町は積雪の多い土地のため、フロストフラワーはほんの一時期に見られるかどうかというレベルで、見られない年もあったりします。

それにはフロストフラワーの発生条件が大きく影響しています。

霜の花が育つ条件は、気温‐15℃、無風、厚くない氷、積雪ゼロ。出会うのはむずかしい。

「フロストフラワー」が育つには、いくつもの自然条件が必要です。
まずは、湖の表面が凍っていて、氷の上に雪が積もっていないこと。そして、その氷があまり厚くないこと。ワカサギ釣りができるくらい十分に氷が厚くなってしまうと、水蒸気が立ちにくいので、霜ができづらくなってしまいます。
次に、気温がマイナス15℃以下であること。氷の表面から立ち上る水蒸気が一瞬にして霜になるには、空気がキーンと冷えていなければなりません。放射冷却で冷え込みが厳しい朝などは、出会えるチャンスです。
そして、風が吹いていないこと。せっかく夜中に霜の花が育っても、朝方に風が吹いてしまうと一瞬にして消えてしまいます。

幌加内町では雪の積もる前のほんの一時期、運が良ければ見られる美しい風景の1つです。

明けまして(解禁)おめでとう

雪がしっかり積もってしまうと閉じこもって過ごすだけかと思いきや、なんのなんの、ここからが幌加内町の冬のレジャー本番。
アイスフィッシング シーズンの到来です。

朱鞠内湖では、例年、年明けの1月10日が解禁日ですが、年末が近くなると「しっかりしばれてくれ」と願う人が増加します。
湖の氷が締まってワカサギ釣りのできる良い湖面になるからです。

湖面の状態によって、開始時期が遅れたり、初めのうちはエリア限定でのオープンとなることもありますが、年が明けると念願の朱鞠内湖のワカサギ釣りが始まります。
ワカサギ釣りは4月10日まで。ただし、その年の天候など、湖面の状態によって終了の日が早まることもあります。

朱鞠内湖でのワカサギ以外の釣り、氷上トラウト釣りの情報については、NPO法人シュマリナイ湖ワールドセンター(朱鞠内湖淡水漁業協同組合)のウェブサイトでご確認いただけます。
トラウト釣りをする場合は、遊漁規制などについて事前にご確認をお願いいたします。

アイスフィッシング » 氷上ワカサギ・トラウト釣り | シュマリナイ湖ワールドセンター

パウダースノー

ワカサギ釣りと並ぶ幌加内町の冬の人気レジャーがほろたちスキー場 のスキーです。

条件がそろえばサンピラーも見られるスキー場は、ローカルスキー場ではありながらもパウダースノーをたっぷり楽しめるスキー場として人気です。とりわけ、パウダ-好きさん、深雪好きさんたちに好まれています。
それもそのはず、幌加内町は道内有数の豪雪地でなおかつ厳寒の地でも知られており、雪質も雪量もバッチリ。

コースは4コース、初心者向けの林間コースから上級者向けのほろたちコースまで。
上級者向けのほろたちコースは、滑走距離700m・最大斜度44°・平均斜度25°・不整地、という環境。「最大斜度44°」の急斜面は、道北圏最大斜度の難関コースと言われています。
ふぁっさ~っ、とパウダーをまき散らしながら楽しみたい人にはオススメのスキー場です。

作業中の除雪車両にご注意ください

しつこいようですが、幌加内町は道内有数の豪雪地帯です。
それでも、町内を縦断する国道275号線やその他の道道は頻繁に除雪され、よほどの突発的な大雪でもない限り通行ができないという事態に陥ることはほとんどありません。(吹雪などの視界不良を除く)

そのため、町内の移動時には作業中の除雪車と遭遇することも頻繁にあります。
天気の悪い日に撮影するのは危険なため、ページ上には天気の良い日の写真しか掲載できていませんが、悪天候の日や除雪車の後方についた際に巻上げる雪で視界が悪くなり、写真のように除雪車両がはっきり目視できる状態でないこともあります。
冬期に幌加内町へ車でお越しの際は十分にご注意ください。

特に排雪作業の場合は、除雪用車両の横に運搬用のダンプが並び、排雪する雪をダンプに積み込んでいる横をすりぬけるように片側通行しなくてはなりません。
ご通行の際には大変ご迷惑をおかけしてしまいますが、安全に配慮してきちんと誘導されますので、誘導に従ってご通行いただけますようよろしくお願いいたします。

厳しくも美しい世界

2013ほろかないフォトコンテスト入賞作品 『凍てつけど』 - 大塚 友記憲(東川町)

寒さが厳しかったり、雪の量がハンパなかったり、吹雪いて動きがとれなかったり。

それでも、厳しい冬を過ごす間に少しずつ積み重なったネガティブな気持ちがぽーんとぶっ飛ぶ瞬間があります。
マイナスが帳消しになる瞬間。

いつまでも終わらない除雪に追われ、吹雪に翻弄され、寒いというより痛い気温・・・なのにハッとする風景に出会ったとたんに「くそ~、冬、悪くないじゃん!」とか思ってしまうこの感じ。
暮らしているからこその感情なのか、旅人ならどう感じるのだろうと気になったりします。

とはいえ、春はやっぱりうれしいのです。

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